III.保衛局の機能

 人民軍保衛局は、軍内に組織されている独立的な防諜機関として局長は金正日の直接的な指示により動かされており、次のような機能を遂行する。

1.軍隊内の反党、反革命、反国家分子を索出、検挙する。

@ 金日成・金正日の思想と領導を否定、反対するか又は誹謗・中傷する等、党の権威を失墜させ毀損させる活動を行う者を索出する。

A 反党、反国家、反体制文書を作成、配布する者を索出する。

B 北送僑胞と米国、カナダ等に居住する海外僑胞、そしてこれらとの連累者を監視、統制する。

C 同窓会、親睦会のような非合法的組織と組織結成者を索出する。

2.能動的かつ独自的な防諜任務を遂行する。

@ 大韓民国が派遣した間諜、米国・日本・中国・ロシア等の外国から派遣した間諜とその協調者の活動を阻止し、これを索出する。

A 北朝鮮駐在大使館にある公式、非公式軍事人員と北朝鮮を訪問する外国軍事人員を尾行、監視する。

3.金正日の軍隊訪問時の警護任務を担当する。

@ 金正日の通過地域に対する警戒勤務を組織する。

A 金正日が現れる行事場区域に対する捜索、検問、検索、外部人員遮断任務を遂行する。

B 行事当日の行事参加者の身分を確認する等、行事場の出入者に対する監視、統制任務を直接遂行する。

4.軍隊内の住民登録事業を担当する。

@ 軍官、将領に対する住民登録を総括する。

* 住民登録というのは、元来、各地域の社会安全部が担当することにより各地域の全体住民に対する出生、婚姻等の家族状況、居住移動状況、職業状況等を記録、管理する事業である。軍官級以上の軍人は、このような住民登録文件を居住地域の社会安全部に提出し、又別途のカードを作成し、該当人民軍保衛機関担当部署に提出する。

A 軍官及び将領の子女の大学入学と職場配置時に必要な住民登録文件を発給する。

5.国境、海岸に対する警戒勤務を担当する。

(この任務は、元来、国家安全保衛部警備総局が担当していたもので、最近、人民軍保衛局に移管されたという情報があるが、現在のところ最終確認はされていない。)

@ 国境地域において軍人と民間人の流動状況を把握し、これを掌握する。

A 国境地域において検問、検索を実施する。

B 軍人と民間人の海岸、海への出入を検閲、統制する。

6.一般犯罪者を索出、処理する。

@ 軍服務忌避者を索出、処理する。(軍服務忌避を目的として偽装自害した者等がこれに含まれる。)

A 国家、軍事物資窃取者を摘発する。

B 殺人、強盗、窃盗等の各種犯罪者を索出、処理する。

* 一般犯罪者は、摘発した後、軍事検察に事件を移管するが、犯罪が政治的、思想的性格を持っているか、団体又は組織が関連している場合には、保衛部が直接担当する。

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最終更新日:2003/05/01

 

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